ハンノキ林の水辺と林床の保全管理
日時 2012/11/13(火) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林
参加者 岩田臣生
今年のハンノキ林保全活動の3日目です。
この日は西側の木道に面した水流の前回手をいれた部分の下流と東側の水流(ミヤマシラスゲの群落より下流)の手入れ、林床の落枝の片付け、アズマネザサ刈り、低木の間伐などを行いました。
西側の水流の対象部分は樹木の根が張っていて、元々の水流とは異なるのではないかとも思われますが、現在の地形からは流れるべき所に流れています。
尚、生田緑地の水流は、生物の棲息環境としては非常に脆弱な環境だと考えています。
そのため、作業は一人で、1回に行う量はできるだけ少なくすることを心掛けています。
この方法は一昨年から始めていて、少なくとも悪影響は出ていないと判断して、今期も行いました。
東側の水流はアズマネザサの繁茂する斜面の裾を流れています。
上流のミヤマシラスゲの群落の中に、直径20〜30cmのコナラが倒れていました。
枯れていたために倒れたコナラのようです。
この群落の下端部から木道までの間の水流は、溜まっていた泥をダム部分に積んで、水深のある部分をつくっていきました。
同時に、斜面の裾のアズマネザサを刈り、水辺の落枝や倒木を片付けました。
次に、林床の落枝を片付け、アズマネザサを刈り、イヌツゲ、マユミ、ノイバラ、アオキなどの蘖(ひこばえ)や実生を除伐し、
ハンノキの周囲に密集している低木を間伐したり、樹高を低くしたりしました。
また、亜高木層にあるアカメガシワなど、数本を伐採しました。
ハンノキ林地区の南側半分はハンノキが少ないので、ある程度のギャップをつくるつもりで、高木〜亜高木を伐採する方法もあると思います。
特に、アカメガシワなどが集中して生えている場所などは検討する価値があると思います。
この南側地区で、ハンノキを発芽させて育てることができれば、ハンノキ林の更新が可能になると思います。
尤も、そこまで管理してしまうと自然林とは言えなくなってしまいそうです。
実現可能性と自然林問題については、議論を要すると思います。
林床のイボタノキは数も増え、大きくもなっていますが、花は咲いていないようで、実が見られません。
イボタノキはウラゴマダラシジミの食樹であることから大事にしてほしいという要望が昆虫班からあり、刈らないように心掛けていたところ、
実生と思われる小さなものは多数見られ、1mほどに育ったものも何本か見られるようになりました。
気になっているのは、地面をキヅタが覆っていることです。
まだ薄いので、剥ぎ取るのも容易いと思います。
今期は、実施しておきたい課題です。
ミヤマシラスゲの群落はいくつか見られますが、田圃周辺のものと比較すると弱弱しく、勢いがありません。
林床が暗いためだと思います。
ハンノキ以外の高木〜亜高木を間伐して、もう少し、林内を明るくする必要を感じます。
30〜40年前のハンノキ林の林床にはオニスゲが繁茂していたと聞きますから、次第に暗くなってきたのだと思います。
ハンノキ林地区の周囲のコナラや、スギ、シラカシなどが大きくなったことも、ハンノキ林内を暗くしていると思います。
ただ、暗い方が好きな生物も棲息しているはずなので、明るくする場所と暗さを維持する場所を考えておく必要があると思います。
この方法を検討することも課題だと思います。
この日の活動の途中で、横山造園がハンノキ林北側地区の看板の転倒防止策を行うための下調べに来ました。
看板の右側の支柱の根元が剥き出しになっているため、木道側に転倒することのないようにすることを指示されたということでした。
調べてみると、支柱の下面は既に地面に接していませんでした。
木杭で囲むように指示されていたようですが、水流に杭を打つのはやりたくないということで悩んでいる様子でした。
話し合いの結果、看板の後側にアンカーを打って、ワイヤーで看板の上部を止めておくこと、併せて、支柱の下に石を詰めておくことで合意しました。
最悪の場合でも、木道側に倒れなければ良いということです。
支柱の基礎のコンクリートは底面が不整形なので、石で支えるのは困難かも知れませんが、現状で安定しているので、見た目の不安感を解消し、
景観として見苦しくない状態に基礎が隠れていればいいのではないかと考えました。
ハンノキ林北西地区のアズマネザサ刈り
日時 2012/11/13(火) 10:00〜12:30 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林
参加者 岩田芳美、金子文隆、城本法子、鈴木潤三
ハンノキ林の北西エリアはササ原状態になっています。
ここ数年、毎年アズマネザサ刈りをしているため大きくは伸びていません。
但し、一部の区域は生物の保護のために、敢えて、ササ藪を残しています。
例年5月にはホウチャクソウが広がります。今秋は、ツリフネソウやノダケも見られました。
この地区にも水流を導いて湿地化を試みていますが、水は地面にしみ込んでしまい、水流はできていません。
流量の多い時には、この地区にも水が入るように浅い水路だけはつくっておきたいと思います。
ヒメヤママユがいました。
成虫は秋、10〜11月に現れます。
大きな蛾で、存在感があります。
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