生田緑地の谷戸の自然保全活動



谷戸の水辺の再生・保全

日時 2016/2/23(火) 10:00〜13:00 曇
場所 生田緑地 ハンノキ林、湿地、上の田圃下の草地
参加者 岩田臣生、岩田芳美

ハンノキ林 A07
ハンノキ林上の池には、アズマヒキガエルのオスが1匹いただけで、卵塊はありませんでした。
この1〜2年、オタマジャクシが、ある日突然、全て、いなくなるという事が続いています。 この事の影響もあるのではないかと考えてしまいます。
また、泥が溜って、水深が非常に浅くなり、水域自体も狭まっているようです。
掻い掘りが必要な状態になっています。
ハンノキ林地区では、木道近くのタマアジサイの周囲に残っていたアズマネザサを刈りました。

湿地 B05
湿地の水辺は一通り調べて、3段目の一部の水溜まりに泥が溜っているのが気になりましたので、この部分の泥あげを行いました。


上の田圃地区 B06
上の田圃への導水路が一部決壊していましたので、これを補修しました。
相当量が漏水していたようで、急に導水路の流量が増えました。

まだ、アズマヒキガエルの声が聞こえていました。
1週間超えて、なお繁殖が続いているのは初めてです。
上の段の上側の水路でも、包接、産卵が行われていました。

下の段の入口付近でも、包接しているアズマヒキガエル♂♀がいました。

下の段の排水堰付近には、何匹のメスが産卵したのか、卵塊として分けられない状態で、数えられない卵塊が2ヶ所にありました。
推測としては、上の田圃全体で15の卵塊があったと考えます。
更に、田圃に隣接する水流から、まだアズマヒキガエルの声が聞こえていました。


上の田圃下の草地
この日の目的は、田圃からの排水を流れとして下流部の水流につなげることに見通しをつけることです。
今までは田圃からの排水は田圃下に掘った凹みに入れていましたが、ここに水が溜まっていることは殆どなく、漏水して、どこかに消えていました。
これでは、ここに流れ出したホトケドジョウや、オタマジャクシや、ヤゴなど、様々な生物が生き残れません。
この問題を解消するために、常に開放水面のある状態をつくりたいと考えていました。 今回は、その可能性を探りたいと考えました。
この時期にジッと地形を観察すると、昔、広がっていた田圃の形が見えてきます。
とは云え、ここを田圃状の水辺として再生することは大変です。
今回は、地形を読んで、ジョレンで薄く地表を削って、小さな水流をつくっていき、ミヤマシラスゲやオギが繁茂していた場所(凹み)までつなげました。
この凹みは、かつては、ごく浅い水溜まりがあって、野鳥が水を飲んだり、水浴びをしたりしていた場所で、ミヤマシラスゲやオギが生育していました。
しかし、少し上側にあった湿地が陸地化したことで、この凹みへ流れ込む水が無くなってしまったようです。
この凹み部分の枯れたオギを刈っていたら、「全部、手で刈るのですか?」と木道の上から声がかかりました。
これには、「機械は使いません。」と答えました。
この日は、この凹みの部分だけ刈って、ミヤマシラスゲやセリなどの発芽を観察し、泥あげも試みましたが、ジョレンでは上手くいきませんでした。
水流としては到達させられましたので、暫く、様子をみたいと思います。 それから、次の手を考えたいと思います。


帰り道、ピクニック広場付近に、大きなカメラが並んでいました。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation