湿地の水辺保全 日時 2016/10/27(木) 10:00〜13:00 晴 場所 生田緑地 ハンノキ林下に造ってきた湿地 参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美 2004年11月に、昔、谷戸の一番奥の田圃があったハンノキ林下の地区を湿地にする活動を始めました。 地形的には 3段の棚田状でした。 この段差部では、水を落とすために、今までは、パイプを使っていました。 これは、平坦部は、そのまま利用するという発想でしたが、生物が遡上することができないことに問題を感じていました。 また、パイプの周りに穴が開いて、度々、水漏れを起こし、穴塞ぎの活動に追われていました。 田圃として利用する場合は、できるだけ利用できる面積を広く取るのが当たり前でしたが、湿地にすることを考えるなら、棚田状である必要はありません。 こんな単純な発想がでてきませんでした。 今回は、1段目から2段目に水を落としていた部分を、数段の階段状の水流にすることを試すことにしました。 湿地2段目には、ミゾソバが咲いていました。実に移る季節にはなっています。 アキノウナギツカミも蕾をつけていました。 この湿地に導水して直ぐの所に、水漏れ穴があると聞いていたので、この穴塞ぎから活動を開始しました。 穴は小さなものでしたので、比較的簡単に穴塞ぎは済みました。 いよいよ、課題の場所です。 まず、水が流れてこないように、1段目の中央部で、水路に土嚢を置いて、流れをせき止めました。 これを超えて流れ出す前に、主要な作業を終えたいと思いながら、作業にかかりました。 まずは、現状の水漏れ穴を確認することから始めました。 次に、この辺りを少し広げるように掘って、水漏れ穴を塞ぐようにイネワラと泥を詰めておいて、そこに土嚢を並べました。 次に、そこから1段目側に掘削を広げ、今まで積んであった土嚢は外し、幾つも開いていた穴を埋めました。 まず土だけで階段状にしてから水が流れる部分に土嚢を置こうと思っていましたが、流れを一時的に止めていた堰が切れてしまったようで、勢い良く水が流れてきてしまいました。 そこで、下地を確認しないまま、適当な位置に土嚢を並べ、階段状に流れるように、慌ただしく作業をしました。 1週間程度経過して、水の流れが安定してから、状態を観察して、問題がある場所に手を入れていけば良いと思います。 造った段差は少し大きかったと思います。 次回以降、少し段差を小さくしていけば、ホトケドジョウの遡上も可能な水路になると思います。 次の写真が、秋の陽光を浴びて、ハンノキの枝に止まっていたアキアカネ♂です。 カナムグラ刈りも行いました。 ヒメシロネが、まだ咲いていました。 今年は良くありませんが、シロヨメナも咲いています。 湿地での活動終了後に、上の田圃に立ててあった案山子を片付けました。 木道脇の水路に、シマアメンボが3匹いました。 稲刈りの済んだ上の田圃の上では、穏やかな陽光に包まれて、この日も、マユタテアカネやアキアカネが乱舞していました。 次の写真がミヤマシラスゲの実に止まっているアキアカネ♀です。 次の写真が、木道の手摺りに止まっていたマユタテアカネ♂です。 次の写真が、畦の草に止まっていたオオアオイトトンボです。 下の田圃付近も、状態を観察しました。 10/23(日)に手を入れ、流れるようにした水は流れていて、中央水路の水環境調査地点 B からヨシ原の池 K への小さな水路にも水がありました。 下の田圃にも、マユタテアカネやアキアカネが数匹飛んでいました。 次の写真は、木道脇のヨシに止まっていたアキアカネ♀です。 昆虫班の山本さんが突然、現れました。 病気治療のために、半年以上活動を休んでいましたので、久しぶりに会えました。 コルセットが外れて、歩けるようになったようです。良かったです。嬉しい出来事でした。 帰り道、木道の手摺りにハラビロカマキリがいました。 今年も探したのに、花を見つけられなかったクロヤツシロラン?の実が伸びていました。 |
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation