上の田圃の下の草地、水辺の保全管理
日時 2017/3/20(月) 10:00〜13:30 晴 場所 生田緑地 上の田圃下の草地 参加者 岩田臣生、岩田芳美 この日の課題は、3/16(木)に活動した上の田圃下の池の湛水のための保全調査です。 この池は、2008年3月に、生物調査目的で掘った水溜りで、上の田圃からの排水を受ける形で考えたものですが、 その時の土の状態からは、水は溜まらないかも知れないと思われました。 その後、7月まで毎月、生物調査をしてみると、田圃から流れ出したのだろうと思われる様々な生物が観察されました。 2008/4/13 生田緑地の止水域の生物調査 2008/5/10 生田緑地の止水域の生物調査 2008/6/18 生田緑地の止水域の生物調査 2008/7/12 生田緑地の止水域の生物調査 そこで、11月には池を大きくする活動を行いました しかし、その後は、度々、水涸れを起こすようになり、田圃から流れ出す生物のための水溜りづくりが、大きな難しい課題になっていました。 今年こそ、何とかしたいと思うのです。 まずは、田圃下の池の水漏れ穴があるかもしれない辺りに、イネワラを入れて、粘性の高そうな土を積み、更に、水位線辺りを探り、穴の無いことを確認しました。 それから、ここに流入させていた水を止めてみましたが、池の少し下方から湧き出していた水に変化はありませんでした。 ということは、池の少し離れた下方から湧出していた水は、田圃下の池から漏れ出た水ではないことになります。 全く、別系統で、もしかすると、田圃の底面から直接、漏れてきている可能性もあります。 ここまで確認したら、その湧出している水のことは考えずに、全く新たに、田圃から流出する生物のための受け皿づくりを考えるべきであると判断しました。 幸いなことに、田圃から竹樋で水を落とした場所は、少し広い範囲で見直してみると、水流に接した平坦な土地で、昔の谷戸の地図からも田圃にしていたことが推測できる位置と地形になっていました。 ここなら、田圃からの排水だけでなく、隣接する水流からも水を引き込むことができますので、 水涸れを避けられる確率が高くなるばかりでなく、生物が水流との間を往き来することも可能になります。 この辺りの今後の保全方針は、今までの田圃下の池より一段高い場所に、浅い棚田状の湿地をつくることに変更することにしました。 しかし、上の田圃(下の段)のように、湛水できるようになるまでの活動は大変だろうと予想されます。 昔、水流沿いの湿地には、アソシノブゴケが密生していましたが、この日、ここにあったのは、次のコケでした。ナガヒツジゴケでしょうか? 気になったのは、田圃への水は少ないながらも入っているのに、田圃の下の段からは溢れていません。 そこで、田圃の水漏れ穴を探して、5〜6個の穴を塞ぎましたが、流出する水量には殆ど変化がありませんでした。 まだ、アズマヒキガエルが 5〜6匹、田圃に残っていて、時々、蛙合戦をやっていました。 水漏れ穴を塞ぐために、田圃の土を使おうとしたら、アズマヒキガエルを掴んでしまい、放り出しても、眠っているようでした。 冬眠していた場所まで戻るのを忘れているようでしたので、落葉を被せておきました。 先月から気になっていたことですが、雑木林から水流に落ちた大きな倒木 2本を片付けたいと思い、水流に入りましたが、やはり重くて、手に負えませんでした。 斜面は急勾配で、水流に面しては、切土の崖面になっていますので、どのようにすれば、取り出せるのか、作戦を練る必要があります。 久し振りに、水流を遡行したら、水流に向かって、ヤツデや、アズマネザサなどが繁っていましたので、通行の妨げになったものは除伐しました。 また、1ヶ所、土砂崩れがあったのか、立て札や土砂で流れが埋まってしまっている所がありました。 この土砂と倒木の片付けは、どのように行えば、生物への影響を小さくできるのか、これも少し作戦を考えてからのことにしました。 気温が上がったせいか、スジグロシロチョウや、キタキチョウが飛び、キタテハ、テングチョウなどが枯葉などの上で陽光を浴びていました。 一方、城山下谷戸との合流付近のアズマネザサ刈り、キヅタ剥ぎなども行いました。 不思議な景色だと思ったのは、枝を真っ白にした樹があったことです。 枯枝に菌類が繁殖したのでしょうか。 更に、ハンノキ林下の湿地の観察モニタリングも行いました。 丁度、フリソデヤナギや、フキノトウが咲いていました。 縁辺部のアズマネザサが気になりだしていますが、これは 4月の活動にします。 帰り道の道沿いには、モミジイチゴや、アオイスミレが咲いていました。 |