谷戸の水の管理、萌芽更新(水田ビオトープ班) 日時 2018/7/10(火) 10:00〜13:00 晴 場所 生田緑地 湿地地区、上の田圃地区、下の田圃地区、萌芽更新地区 参加者 岩田臣生、岩田芳美 谷戸に降りる階段の途中に、カブトムシ(オス)の頭が転がっていました。 カラスが、羽化したばかりのカブトムシを捕食して、頭や脚だけを捨てるという夏のイベントが始まったようです。 今日の活動目的は今年 1〜2 月に萌芽更新目的で伐採した伐り株からの萌芽枝を昆虫幼虫から保護することとしたのですが、その前に、谷戸の水の状態を調べておくことにしました。 湿地地区の水は全域に行き渡っていましたが、2段目末端部に水漏れ穴が開いていて、地中を通って 3段目に流れていました。 保護している植物には種子ができ始めているようでした。 何とか、午後に来て、花も見たいと思うのですが・・・。 上の田圃は、下の段の水位が下がっていました。 水漏れは前回と同じ場所だと思いました。 畦をしっかり補修するためには良い土を手に入れなければならないと思います。 ショウジョウトンボのオスが木道近くに止まっていました。 下の田圃は、またしても、排水堰の土嚢が一つ落ちていました。 新しい土嚢をつくって、造り替えなければならないようです。 水の状態調査はそこまでにして萌芽更新地区に向かいました。 そして、先ずは、今年の萌芽枝の保護を行いました。 5〜6 月に集まっていたアブラムシ類は姿を消して、アオバハゴロモの幼虫のような生物と白い綿状物質が萌芽枝を覆うように付いています。 前回の手入れの効果で、元気を回復している枝もありますが、まだ展葉できずにいる枝もありました。 2年目の萌芽枝は、こうした昆虫の攻撃を受けていません。 これらの昆虫にとっては、新しい萌芽枝は特別なご馳走なのかも知れません。 この洗礼を乗り切るだけの活力が無いと、萌芽更新はできないでしょう。 アズマネザサに埋もれてしまうような小さな実生にも、こうした昆虫は攻撃していません。 多様な実生や、数本ずつ纏め植えしたクヌギの稚樹なども見つかりましたが、萌芽枝の勢いと比較してしまうと見劣りがしてしまいます。 1998年に萌芽更新を目指して伐採された萌芽更新地区で萌芽枝が生き残っていたのは、地上 2mの高さで伐採されたクヌギ1本だけでした。 このクヌギを2017年 2 月に低い位置で伐採しましたが、年輪からは 47 齢でした。 そんな高齢では萌芽はしないだろうと思っていましたが、夏には萌芽しました。 このクヌギも含めて、2017年から萌芽更新目的で伐採してきた樹木はいずれも萌芽枝を元気に伸ばしています。 2008年1月の市民部会において、更新管理ができていなかったことを確認し、「改めて萌芽更新地区と呼べる地区を目指して植生管理を行うこと」を合議しました。 この10年間の植生管理によって、漸く、目標とした樹林を現実化しつつあると、自己評価はできるようになりました。 それにしても、風の無い日の萌芽更新地区は暑くて、短時間の作業でも堪えました。
かわさき自然調査団の活動
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