生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林の保全、上の田圃地区のカナムグラ刈り
日時 2019/10/21(月) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地 ハンノキ林地区 A07-(08)、上の田圃地区 B06
参加者 岩田臣生、岩田芳美

10/22(火)が雨になりそうでしたので、月曜日ながら活動することにしました。
谷戸に降りた所で驚いたのは、1本のケヤキの太い幹が裂けるように折れて、大きなコナラやクヌギが積み重なるように倒れていたことです。
台風の襲来直後ならともかく、何があったのでしょうか。


ハンノキ林を保全する目的は湿地環境の再生保全にあると思いますが、今回はハンノキ林地区の北端のゾーン A07-08 で活動することにしました。
ハンノキ林地区の保全活動については こちら をご参照ください。

一つは、台風によって倒されていたハンノキを片づけることです。
この材は、ここに水溜まりをつくる準備として木道沿いに置きました。
かつて、この辺りのミヤマシラスゲの群落にはスジグロボタルが棲息していましたが、数年前の夏に水流が涸れてしまったことで絶えてしまいました。
年間通して水面がある状態が維持されるようになれば、復活できるかも知れません。

一つは、水流に落枝等を材料としたダムをつくって、流れを細かく分割することです。
これも、後日の水溜まりづくりの活動で利用します。
落枝等のダムは、水が流れにくくなるので、周囲を湿地化させるし、生きものが流されるのを防げるかも知れません。

一つは、低木層から亜高木層を構成するハンノキ以外の樹木を伐採して、林床を明るくすることです。
ハンノキの活力を上げるためには、林内をできるだけ明るくする必要があると思います。
また、タマアジサイを元気にするためにも、明るくすることが望ましいと考えました。
ゲンジボタルの飛翔空間を確保するという観点からも、よく観察して、低木層〜亜高木層の樹木を減らした方が良いと思いました。

モミジの実生が多数生えていましたので、30〜50cm の小さなものは引き抜いて、上の田圃地区の木道の西側草地に運び、植えました。
上の田圃地区に接する住宅地から入ってくるLED照明の光は、ホタルの季節、光害をもたらすため、住宅地からの光を遮るために樹林を育てることにしました。
そのために使える稚樹は、何でも移植してみたいと考えています。

大きくなってしまった実生は、位置関係を見て、一先ず、40〜50cm の高さで伐採しました。
良く見るとウワミズザクラではないかと思われる樹木も数本あったので、丁寧に掘り取って、移植できないだろうかと考えたり、 ハンノキ林のハンノキは樹高 15m超の樹高があり、その高さで樹冠を広げているのだから、足元の低木層はあっても問題ないのではないかと考えたり、 ハンノキ林が形成された頃はオニスゲが繁茂するぐらい明るい湿地だったらしいということが想起されたり、1 本 1 本について考えながらの活動になって、 スローペースの活動になってしまいました。
捗らない活動でしたが、少しだけ林床が明るくなったように感じたことに満足して、残りは次回に行うことにして帰りました。








上の田圃地区のカナムグラ刈りも行いました。
ツリフネソウの開花期も、そろそろ終わりなので、大鎌での草刈りにしても良いと思うのですが、・・・。


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