生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林上の池の生物調査と泥上げ、ハンノキ林南端部ののアズマネザサ刈りなど
日時 2019/12/19(木) 10:00〜13:00 
場所 ハンノキ林上の池地区 A07-10、ハンノキ林南端部 A07-01
参加者 岩田臣生、岩田芳美、田村成美

ハンノキ林上の池は、多分、1997年度の「生田緑地谷間の散策路整備」によってハンノキ林上のデッキを整備する時に、 池の西南側にあった四阿を解体して、そこに掘削した土砂を積み上げる方法で造成しれたものだと思います。
池に流入する湧水は、この積み上げた土砂の小山の下に埋設した排水管から出て来るほか、その小山の両側に見られる非常に小さな流れからのものです。
池から溢れた水はデッキの下を通って、ハンノキ林内に向かって直線的に掘られた水路に流れます。
池の水位は、このデッキ下の地面の高さで固定され、掻い掘りのために水位を下げるということはできません。
このため、水底に溜まった泥を掬って、取り出すことによって、水質の悪化を防ぎ、生物の棲息できる湧水環境を保全しています。
最近のように大雨が多いと、流入する土砂も多く、短期間で土砂が溜まってしまいます。
そこで、今回は、溜まった土砂を取り出して、充分な水深を確保する活動を行いました。
泥上げは、肥柄杓(こえびしゃく)を使って、池周囲の斜面に泥を放り上げるのですが、 水底の落葉の下や泥の中に潜っているホトケドジョウやカワニナを一緒に投げてしまうことはできるだけ避けなければなりません。
そこで、先ず、手網を使って、水底を掬って、ザッと生物を採集し、保護しました。



1 時間程、採集を行ったところ、ホトケドジョウ (3〜5cm) 21、カワニナ 14、オニヤンマのヤゴ 1、サカマキガイ 1、アメリカザリガニ (2〜6cm) 50以上、ミズムシ 1 などが採れました。
ホトケドジョウは大きい個体が多かったのですが、このうちの 1 尾は体表が白っぽい個体でした。




動きの悪い生きものを採集して保護したので、後は、肥柄杓を用いて泥を掬って、周囲に放り投げました。






木道を挟んだ池の反対側のアズマネザサを刈りました。
今までは木道沿いのアズマネザサを刈らずにおいたのですが、少し汚らしくなっていたので、今回は刈ることにしました。

また、池からハンノキ林への直線的な深い水路が周囲を乾燥化させていると考えて、これを分流させるべく、 2009/1/17(土)に掘った蛇行する浅い水路の辺りのアズマネザサも刈りました。

こんな所にクロヤツシロランの実が立っていました。

ジャノヒゲの青い実や、ヤブコウジの紅い実もありました。




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