生田緑地の生物多様性保全活動

谷戸の水辺保全、アズマネザサ刈りなど
日時:2021/3/9(火) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地 ハンオキ林(A07)、湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

【生田緑地整備事務所裏】
生田緑地整備事務所裏に着いたら、かなり大きな不思議な機械的な音が響いていました。
何かと思って見上げると、十数羽のシメが飛び立ちました。
シメのオスの合唱?だったのでしょうか。

この日は、田圃周辺のほか、谷戸の広い範囲の水辺を点検・保全するつもりで、谷戸に降りました。
【ピクニック広場東斜面】
谷戸への階段を降りかけた所で、草地として管理している斜面のアオイスミレが咲き始めていました。
ピクニック広場東斜面は、2008/11/15の市民部会で、ヤマグワなどの枯損木とアズマネザサのヤブを除伐し、 更に、2012/3/22 の市民部会で、階段近くのミズキなどを除伐して、 チョウの吸蜜源となる野生の草花が咲く草地を目指して、水田ビオトープ班が管理しています。
アオイスミレは、春一番に咲くスミレです。


【ハンノキ林上の池】
上の田圃の蛙合戦が始まった 3/4 には、まだ、アズマヒキガエルの姿がありませんでしたが、この日は、上の田圃では全く見られなくなっていたのに、 ここには出遅れたと思われるアズマヒキガエル♂が十匹弱と、短い卵塊が 2 本ありました。


【ハンノキ林】
ハンノキ林には、南端から入って、水辺を観察しましたが、水の流量は少なく、土の中を染みて流れているという状態でした。
辺りは、急に春めいて、モミジイチゴや、ウグイスカグラが開花していました。



東側の斜面下の水流は水溜まりが並んだ状態になって、鉄バクテリアが繁殖して橙色になった水溜まりが数個ありました。
また、ナラ枯れによって折れて落ちたと思われるコナラの枝が、いくつも、水溜まりの上を覆っていました。
そこで、これらの落枝を片づけて、水面を開放しましたが、水流にはなっていませんでした。
丁度、東支谷戸入口部の枯れたコナラの大木の伐採作業が行われていて、チェーンソウのエンジン音が響き、木粉が降っていました。
野鳥班が野鳥調査をしていましたが、これではハンノキ林の野鳥は逃げていて、調査にはならなかったと思います。





【湿地地区上のシロヨメナ生育地】
ここには、シロヨメナの群落があります。
シロヨメナは、既に発芽していましたが、アズマネザサなどを刈りました。




【上の田圃地区】
上の田圃は、上の段だけではなく、下の段も、ほぼ湛水していました。
アズマヒキガエルの卵塊が、上の段だけではなく、下の段にも広がっていました。
しかし、下の段の土嚢堰からのオーバーフローが見られないので、まだ、水漏れがあると思われます。
大きな穴からの水漏れではなく、どこからともなく染み出しているのだろうと思われ、可能性がある場所を手探りしてはイネワラ補修を繰り返しました。
通年湛水している田圃の周囲の土は柔らかく、ザリガニやサワガニが簡単に穴をあけてしまうし、水も染み出すようになります。
これだけの卵が全て育つのも問題ですが、オタマジャクシが生活できるように、湛水状態を保つための手入れは続きそうです。
畦には、早くも、ノミノフスマ、ハコベ、キツネノボタンなどが咲き始めていました。



この水漏れ補修の反応は極めて小さいので、田圃と斜面樹林の間の沢に崩れ落ちていた土砂を取り除いたり、田圃下草地の水路に水を流す活動を並行して行いました。



水が流れて、水溜まりができた水路に、真っ先にやってきて、水浴びを始めたのはカラスでした。

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