生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林地区の水辺保全
日時:2021/11/25(木) 10:00〜12:00 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林地区(A07)
参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美、伊澤高行

(ハンノキ林地区のゾーン図)

谷戸の水辺の保全活動は、秋〜冬の活動としています。
ハンノキ林地区(A07) については、今秋は、11/18(木)に、地区(A07-08)の水辺保全活動を行いました。
今回は、2ヶ所に分かれて活動しました。
一つは、ハンノキ林西の池から地区(A07-05、A07-04、A07-06)を流れる水流の泥上げを行いました。




もう一つは、地区(A07-03)の落枝片付け、斜面裾部のアズマネザサ刈り、水流の泥上げなどを行いました。
地区(A07-03)の東側の斜面に生えていたコナラ大径木がナラ枯れとなり、沢山の大きな枯枝を落としていましたので、その大きな落枝を片付けることが大仕事でした。
事前に下見をしていたら、大径木伐採に使っている大きな鋸を持って行ったのですが、普段携帯している鋸だけでしたので、落枝片付け作業に時間を取られてしまいました。






地区(A07-02)の辺りになると、東に小さな支谷戸がありますが、今回は、その手前、地区(A07-03)までしか進められませんでした。
活動中、マンリョウ、カラタチバナ、ヤブコウジ、メギ、ウメモドキなど、小さいながら真赤な実が歓迎してくれました。
また、シロキクラゲなどのキノコの仲間にも出会いました。
ハンノキ林の林床は、昨年あたりから、やっと、歩くと足が地面に沈むような湿地になってきましたが、今回は、降雨のせいかも知れませんが、 ミヤマシラスゲ、キチジョウソウなどが生育する辺りは水溜まりができていました。



今回の活動では、ナラ枯れコナラの大きな落枝が大量にあり、水流の泥上げにかかる前に時間をとられてしまいました。
念のために、ヘルメットを被って活動しましたが、今夏枯れ始めたコナラ大径木は、早ければ、今冬から大枝を落とし始めると思いますので、ハンノキ林の活動は、暫くは危険な状態が続きそうです。
木道付近の枯れコナラを伐採するのは、市民活動では、伐倒時に手摺を破壊する可能性があるため、伐倒することは困難です。
枯れ始めたコナラの伐採は、ドングリを散布できなくなった年の冬では遅く、ドングリが散布されている状態のうちに行う方が良いと思われます。
そうすれば、伐採後の初夏には、ドングリから発芽するので、伐採によってできたギャップによって、これを育てれば、コナラを世代交代させることができます。
地形との位置関係にもよりますが、1本の伐り株周りに、数本のコナラを育てられれば、コナラ林を残せるのではないかと思います。
しかし、生田緑地では、アズマネザサの活力が高いので、そのためには頻繁なアズマネザサ刈りが必要になると思います。
2011年に始めた皆伐更新では、子育て中のお母さんたちのパワーに助けられました。
お蔭で、この皆伐更新は成功しましたが、この活動に参加してくれたお母さんたちに対して、生田緑地自然環境保全管理会議としては、感謝を表現することができていません。
現在、課題となっている生田緑地のナラ枯れに対して、コナラ林を消さないための伐採更新を進めていくためには、 里山倶楽部メンバーも更新しながら、継続的に、伐採更新を展開する必要があると思うのですが、・・・。

かわさき自然調査団の活動

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