谷戸の水辺保全、カナムグラ抜きなど 日時:2022/6/16(木) 10:00〜12:30 曇 場所 生田緑地 谷戸(ピクニック広場地区〜ヨシ原地区) 参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美、伊澤高行、上路ナオ子、井口 実 (生田緑地整備事務所) 事務所の壁に、ヒロバツバメアオシャク?、オオバナミガタエダシャク?、マイマイガ(幼虫)などが見られました。 (湿地地区) 活動(岩田臣生) 湿地地区は、竹林下から入る水流に水漏れがあったので、これを補修しました。 ここで保護している植物の状態と水涸れが無いことを確認しました。 (上の田圃) 活動(鈴木潤三) 上の田圃の下の段の水が涸れかけていたので、水漏れを補修しました。 (上の田圃下草地) 活動(鈴木潤三、田村成美、伊澤高行、上路ナオ子、井口 実) 田圃下草地のカナムグラ抜きを行いました。 これは、ノカンゾウ、ツリフネソウ、ミゾソバなどの保護のためです。 ラミーカミキリが見つかりました。 自然分布はインドシナ半島、中国、台湾で、輸入したナンバンカラムシ(ラミー)に着いていたものが繁殖したと考えられています。 昔は、この生田緑地辺りでは見られない、西日本の昆虫でしたが、生田緑地の谷戸では、アオカラムシ、ヤブマオなど、イラクサ科の植物があるためか、普通の甲虫になっています。 地球温暖化によって生息域を北上させている昆虫の一つです。 (上の田圃下草地〜城山下谷戸) 活動(岩田臣生) 田圃下につくってきた池の水漏れ穴を塞ぎました。 ミヤマシラスゲが繁茂する湿地の中に、水溜まりをつくる活動を行いました。 昔は、一面にコケが繁茂していたミヤマシラスゲの根元が、砂質土に変わっていましたので、何とか、コケで被われる湿地に戻したいと思いました。 更に、沢を越えて、城山下谷戸側のコケが繁茂する湿地だった辺りを調べましたが、水は伏流していて、コケは消えていました。 この二つの谷戸の合流部の辺りは、かつては、谷戸一番のゲンジボタルの発生ポイントで、ホタルの里整備事業では、それを意識した看板まで設置していました。 この谷戸の今年のゲンジボタルの出現場所や出現数を見ていると、改めて、ゲンジボタルの棲息環境づくりに取り組む必要性を感じています。 8月以降は、この辺りの湿地の再生に取り組んでみようと思いました。 ビロードカミキリ、ヒゲコメツキ、キシャチホコ(蛾)、ニッポンマイマイなどが見られました。 (下の田圃地区) 活動(岩田臣生) 下の田圃の土嚢堰に小さい土嚢を一つ追加して、水位を少し上げました。 シオカラトンボが数匹飛んでいて、土嚢堰の上に止まりました。 活動(岩田芳美) カナムグラ抜きを行いました。 コバノカモメヅルのツルがだいぶ伸びてきました。 (ヨシ原地区) 活動(岩田臣生) 池の状態を点検しました。 また、閉鎖管理しているはずのホタルの国で、昨夜のホタル調査時に、梅の木広場付近でホタルを撮影している女性がいたことを報告し、 出入りしたと思われる場所にフェンスを設置してもらいましたので、これを確認しました。 活動終了後、梅の木広場で休憩して、解散しました。 5〜6月は、水辺の甲虫などの発生時期ですから、自然観察をしながら、倉庫に向かいました。 イチヤクソウが見頃を迎えていました。 イチヤクソウは、県内では丘陵から山地にかけての樹林内に見られるが、土壌の乾燥化が進んで、減少しているそうです。(神奈川県植物誌による) 大都市の市街地の中で楽しめる山地の植物です。 大勢の市民が楽しめるように、この時期に、ここに来て、持ち帰らずに、楽しんでいただきたいと思います。 専修大学の学生さんが、カメノコテントウを見つけて、教えてくれました。 カメノコテントウは、川崎市青少年科学館未記録種ですが、今春の里山倶楽部で成虫が見つかり、5月には水田ビオトープ班の団員が幼虫、蛹、成虫を見つけていました。 続けて、ハラグロオオテントウが見つかりました。 ハラグロオオテントウは、神奈川県昆虫誌(2014)には記載がありませんでしたが、地球温暖化によって北上している昆虫のようです。 これも、川崎市青少年科学館未記録種だと思います。 実に、日本最大級のテントウムシ 2種に出会うことができました。 アトジロサビカミキリもいました。 更に、ヤツメカミキリ(橙色型)にも出会いました。 ヤツメカミキリは、今年 5月17日 に、小雨降る生田緑地で、初めて出会いましたので、2度目です。 若しかすると、これも川崎市青少年科学館未記録種かも知れません。 続けて、ビロードハマキ(蛾)にも出会いました。 この谷戸の生物多様性保全の実践活動を始めて 18年が経ちました。 この谷戸の生きものの賑わいを実感して、嬉しく、活動を終えました。 |
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