生田緑地の生物多様性保全活動


夏の谷戸の水辺保全、カナムグラ刈りなど
日時:2022/8/25(木) 10:00〜13:00
場所 生田緑地 湿地地区、田圃地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美、田村成美

曇で、気温も 30℃を下回る予報でしたので、今夏、手を抜いていた活動をできるかも知れないと考えて、生田緑地に出かけました。
生田緑地整備事務所裏の倉庫の中は、7/17(日)に実施したライトトラップの道具の片付けができていませんでしたので、先ず、この片付けを行いました。
そして、木曜日でしたので、誰か、活動に参加する人が来るかも知れないと思い、10:00 まで待ちました。
すると、田村さんが来ましたので、田圃地区の水漏れは任せそうだと思って、谷戸に降りました。

谷戸の草地には夏草が繁茂していますが、ピクニック広場辺りにも、ツリフネソウが繁茂していました。
園路際のツリフネソウの先端に、フキバッタがいました。
フキバッタは、翅が退化していて、移動可能距離が限られています。
生田緑地のフキバッタはヤマトフキバッタに分類されている種だと思います。


ハンノキ林まで降りると、ナラ枯れ木が目立つようになりますが、ナラ枯れではないと思われる倒木がハンノキ林西の池の上を覆うように倒れていました。
この辺りはホタル成虫にとっては大切な樹林だと思いますので、しっかりと状態観察を行って、立て直すのか、伐採して片づけるのか、対応しなければならないと思いますが、 今回は、水辺の活動を優先することにしました。


湿地地区については、8/23(火)に、水漏れ補修を行いましたが、水漏れ穴が開く頻度が高いので、水の状態観察は外せません。
地区内に導いている水流は、竹林下水流も、ハンノキ林からの水流も、問題無く、流れていました。
水面は湿地地区2段目のほぼ全域に広がっていました。


しかし、2段目から3段目に落ちる末端部までで止まっていました。
調べると、2段目の水路途中に水漏れ穴があったので、これを補修し、3段目に水が落ちるようにしました。

それから、暫く手を入れていなかった3段目の水域を広げて、3段目で保護している植物の根元まで、水路の泥上げを行いました。
その小さな水溜まりができたら、何処からともなく、オオシオカラトンボ(オス)が飛んで来て、ミヤマシラスゲの葉に止まりました。



また、湿地地区1段目の状態観察を行い、8/23(火)にはお辞儀をしていたノハラアザミの花が、元気になって、空に向かって立っているのを確認しました。
これで、水涸れで萎れていたことが分りました。


上の田圃地区は、下の段の水が涸れていたため、周囲の畦に開いていた水漏れ穴をイネワラ補修しました。
湛水するまでには時間がかかります。



田圃の上を飛ぶシオカラトンボに混ざって、時折、オニヤンマが飛んでいました。
畦付近のホウズキが色づいていました。


田圃下草地の池につながる水路には大きな水漏れ穴がありました。
最近の暑さの中の保全活動は辛いので、暫くは涸れた状態でもよしとしていました。
今回は、補修を試み、池を湛水させました。

そろそろ終期のノカンゾウの花の下で、ミズタマソウ、ヤブランなどが咲いていました。



見回せば、田圃下草地は、すっかりカナムグラに覆われていました。
この時期のカナムグラ刈りは、カナムグラの茎を見つけて、常時持ち歩いている桑切鎌で切るようにしています。
ツルを引っ張ってしまうと、カナムグラが絡みついているツリフネソウが折れたり、倒れたりしてしまいます。
ノカンゾウの花期が終わったら、ツリフネソウやミゾソバの花を楽しめるようにするための植生管理を行っています。


梅の木広場のテーブルベンチで休憩し、この日の活動を終えることにしました。
ベンチ端に、シオカラトンボ(メス)が飛んで来て、隣で一緒に休んでいました。


帰り道に通るピクニック広場下地区には、メヤブマオ(サガミヤブマオ型)が繁茂し、園路に茎を伸ばして、咲き始めていました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation