保全活動の準備としての保護対象植物等の観察 日時:2023/3/14(火) 8:30〜12:00 晴 場所 生田緑地中央地区 参加者 岩田臣生 3月ではありますが、4月の陽気が続くようになったので、近々の活動計画を考えるために、保護対象植物等の状態観察を行うことにしました。 先ずは、過去に2度ほど、大きな伐採材を置かれたことで、急激に衰退することになった植物の状態を見に行きました。 この植物は、県内では、生田緑地だけに分布する植物です。 この植物が生育する斜面の下側の通路は、ロープによって通行を制止する措置がとられていました。 これを越えて進むと、ワイヤーを張った柵があるのですが、その柵の奥に枯れコナラの伐採材が積まれていました。 実は、更に奥に、保護対象植物の生育地があるのですが、そこに行くためには、ここに積まれた材を乗り越えて行かなければなりません。 この柵までの園路には、ユンボウが通った痕跡が明らかでしたので、ユンボウで伐採材を運んで来て、柵越しに、材を捨てたと推察できます。 しかし、今回のナラ枯れコナラの伐採は、伐採材を生田緑地の外に搬出することになっていたはずなので、業務仕様が守られていないと思いました。 このために、県内では生田緑地にしか分布しない植物の保護活動が充分にできなくなるようなら、非常に問題だと思います。 ナラ枯れコナラの伐採のために、ゲンジボタルが棲息するハンノキ林に機械を入れて、材を運搬したことなど、今回のナラ枯れコナラの伐採は、問題があったと思います。 当該保護対象植物の開花は始まっていて、10株程を確認しましたので、この植物の保護のための活動を始めたいと思いました。 次に、野鳥の森の水辺の状態を調べました。 昨年末の12/20に活動した場所には、水溜まりと水路の水面が残っていました。 次回は、水溜まりを広げたいと思います。 野鳥観察舎周辺も観察しました。 ナガバノスミレサイシンが咲いていました。 アズマネザサ刈りが必要な状態になっていました。 外周園路沿いに生育していた場所を調べようとしましたが、生育地にはアズマネザサが茂り、その上に沢山の落枝がたまっていました。 落枝をどけて、アズマネザサを刈ってみましたが、保護対象植物は見つかりませんでした。 更に、周辺の生育地を調べました。 この辺りも、ナラ枯れコナラの伐採を行ったので、踏み潰されて消えることが心配されました。 しかし、確かに、発芽範囲は狭くなりましたが、20株程が、間もなく開花という状態になっていました。 伐採された樹林を見ると、何故、残したのかと思ってしまうナラ枯れコナラが数本ありましたが、沢山のドングリが転がっていたので、 残されたヒサカキを伐採したら、若い雑木林への更新も容易なのではないかと思われる状態でした。 菖蒲池に降りる階段沿いの枯れコナラ伐採も行われていましたが、伐採木周囲のアズマネザサが丁寧に刈られていました。 枯木を伐採すれば、それでよいという作業ではなく、公園の雑木林の中の伐採としての適切な作業が行われていると感じました。 ナラ枯れコナラの伐採といっても、担当した業者によって、こんなにも違うのかと驚き、感心しました。 菖蒲池に降りたら、水路にアズマヒキガエルの卵塊がありました。 中央園路には、一株でしたが、コスミレが咲いていました。 |
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