生田緑地の谷戸の自然保全活動



片付け、シラユキゲシ駆除、ヨシ刈りなど
日時 2012/4/17(火) 10:00〜13:20 晴 20℃
場所 生田緑地 ピクニック広場
参加者 岩田臣生、岩田芳美


ピクニック広場
ピクニック広場の草地を広げるために数ヶ所に積んであった木の枝やアズマネザサなどをカントリーヘッジに移動しました。
既に、草本が発芽し始めてきます。 保護柵を設ける必要があります。
昨年の柵は夏草に埋もれてしまいました。 どんな方法にするか、思案中です。


ハンノキ林
ハンノキ林の林床にはホウチャクソウの芽がたくさん出ています。 そろそろハンノキ林の水辺には入れなくなります。
でも、シラユキゲシが目立っていたので、ザッと駆除することにしました。


湿地
湿地1段目の水辺にはアメリカザリガニの穴がいくつもありました。 手を突っ込んでも、深くて探り出せませんでした。 堰を直しましたが、水位が高くなるかどうかは疑問です。
辺りには、カキドオシやツボスミレが咲いています。
シュレーゲルアオガエルの産卵も始まりました。今年の初認です。


上の田圃
上の田圃のカルガモ対策は有効だったのか、水は濁っていませんでした。
オタマジャクシが活発に泳ぐようになりました。
アカハネムシやツマキチョウが飛んでいるのが見られるようになりました。

上の田圃の畦にはタネツケバナ、ケキツネノボタン,タガラシ、ムラサキケマンなどが咲いています。

湧水の流量が多いため田圃下の池にも水が溜まっています。


合流付近
木々が展葉し始めて、一日ごとに景色の色合いが変化しています。


下の田圃
下の田圃の周囲に残っていたヨシを刈りました。
かつてクワイ畑として使っていたYさんの敷地の池のヨシは残ってしまいました。 「水が入っているから手を入れられない。」とYさんは言います。 水を止めてほしいということなのだと思いますが、直ぐに対応することができません。 「少し待ってほしい。」と頼みましたが、不満の様子です。
元々、外に流そうとした排水を自分のクワイ畑に入れるように言って来たのですが、 クワイ畑を止めたため必要無くなったということです。
この日はともかく、生田緑地側の田圃周辺のヨシ刈りを済ませたいと思っていましたので、時間の猶予をお願いしました。

キタテハのほか、ツマキチョウが出ていて、谷戸を上下していました。 春の僅かの期間しか出会えない里山のチョウで、市街地には生息していません。 夏から冬を蛹で過ごすチョウで、時には2冬゛3冬と蛹のまま過ごします。 このチョウも生田緑地の自然を象徴する生物の一つだと思います。 残念ながら、8日に開業した生田緑地ビジターセンターの「生田緑地の春」という展示にはタイワンモンシロチョウが使われていて驚きました。 更に、キアゲハは夏型でしたし、ベニシジミ?は毒々しい赤と黒に彩色されていました。
ビジターセンターの展示は、生田緑地の価値を伝えるものであってほしいと思います。
また、ヤトセスジジョウカイが飛んできて体に止まったり、直ぐ近くの竹籠に止まったりしていました。 丁度、発生の時期にあたったのでしょうか。 数が多いように感じました。
このヤトセスジジョウカイについては、昆虫班の雛倉氏に写真を見てもらいました。
体長1cm程度の甲虫で、似ている甲虫のヒメジョウカイとば脚の爪先が同定ポイントになるとのことなのですが、 捕まえずに肉眼で確認するのは、私には困難です。 保全活動中もルーペを持ち歩く必要があるのでしょう。 ただ、同氏によれば、生田緑地ではヒメジョウカイは極めてめずらしい存在で、ヤトセスジジョウカイは普通に見られるとのことでしたので 間違いないだろうと判断しています。
ヤトセスジジョウカイ

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation