日時 2016/11/5(土) 10:00〜14:30 晴
場所 生田緑地 谷戸と萌芽更新地区
参加者 (6年目)工藤思由(高1)
(4年目)山下淳也(高3)
(3年目)山下香保里
(1年目)藤村望美、渓(幼児)、花(幼児)
山崎孝子、蓮佳(小2)
(生田緑地運営共同事業体)額谷悠夏
(市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美 11名
今年度第7回里山倶楽部Aの活動です。
生田緑地整備事務所前に集合してから、必要な道具を持って、飯室山南の皆伐更新地区に向かいました。
この日は、小さな幼児も、お母さんに抱かれることなく、歩いて来れました。
皆伐更新地区に到着しました。
今日は、育てている実生木の成長を調査して記録します。
皆伐更新地区は、2010年末に皆伐した区域で、若いコナラ林を目指しています。
専門家からは萌芽更新は不可能と聞いていましたが、萌芽更新も視野に置きながら、実生があれば実生を育てるという方針で管理してきました。
切り株からの萌芽は皆無ではありませんでしたが、年とともに、萌芽枝は枯れて、現在残っているのは、クヌギ、コナラが、それぞれ1株のみです。
しかし、2011年には丸裸だった区域に、いち早く発芽してきたパイニアオと呼ばれる樹木は抜き取り、後から発芽してきたコナラ、ヤマザクラ、ゴンズイなどは、選択的に保護することで、
育てたいと思う実生の樹木は成長し、コナラの若齢林と呼べる状態になるのも間もなくのことと思えるようになりました。
この日、初めて、ここで活動した参加者には、6年前には何も生えていなかったということが信じられなかったことと思います。
活動を始めようとしたら、コナラが1本倒れていて、ゴンズイ、ヌルデなどを押し倒していることが分かりました。
そこで、岩田は、この倒木をかたづけることから、活動を始めました。
大きなノコギリを持っていなかったので、大変でしたが、何とか玉切りにして、片付けました。
ただ、ロープは用意していなかったので、根元から押し倒されていた樹木を立たせることはできませんでした。
樹木の生長調査は、毎年、実施してきた高校生の二人に任せました。
小学生の時から高校生になるまで参加してくれている高校生がいるので心強い限りです。
里山倶楽部Aの6年間の活動を支えてくれています。
この調査を、小さな子どもたちが手伝ってくれました。
7/2の里山倶楽部Aの活動後、4ヶ月間、皆伐更新地区では活動していませんでした。
成長調査に平行して、夏の間に繁茂した低木やアズマネザサを刈りました。
今までの経験から、カラスウリやヒヨドリジョウゴなどの蔓性植物が凄いだろうと予想していましたが、意外にも大したことはありませんでした。
もしかすると、区域内の実生の樹高が高くなったことによるかも知れません。
今までは、環境としては草地という範疇だったものが、樹林という範疇に入り始めたのかも知れないと、勝手に、想像しました。
里山倶楽部Aは、幼児同伴でも参加できます。参加者は毎年3月に登録し、年間8回、第一土曜日に活動しています。
お母さんたちの活動は、アズマネザサだけを桑切鎌で刈ることです。 今回は、少し小ぶりの刈込み鋏も用意しました。
初めは、皆伐更新地区だけの活動でしたが、参加者が増えて、雑木林の更新も順調であることから、他の場所でも、比較的傾斜の緩い場所であれば、自然を楽しみながら、
自然を守るための活動を始めました。
例えば、今春は、特別回として、外来種セリバヒエンソウの除草を行いました。
里山の自然を楽しみながら、自然を守ることに貢献できるボランティア活動です。是非、参加してみてください。
集合写真を撮りました。
お弁当を食べていたら、メジロが近くのクヌギの萌芽枝に飛んできて、何やら啄んでいました。
ヒヨドリが周囲のコナラの樹上で騒いでいました。
皆伐直後には樹冠部分にしか枝葉を持っていなかった、これら周囲のコナラは、今では、区域内に向かって枝葉を伸ばしています。
気温の上がった区域内には、キタキチョウ、スジグロシロチョウ、コミスジなども飛んでいました。
午後も活動を継続しました。
何故か、15番のコナラが見つからなくて、皆で探しましたが、見つかりません。不思議です。
生田緑地で初めて実施する皆伐更新から、伐採更新についての知識や技術を取得するために、可能な限り科学的な方法を課してきたつもりでしたが、どこかにミスがあったようです。
しかし、研究論文を書くためではないので、育てるべき樹木について、改めて、番号札を確認しておけば良いことだと思います。
樹高1m以上の実生コナラが 29本あり、一番大きいものは6m弱になっていることが分かりました。
ヤマザクラは 10本ほどあり、同様に成長しています。
区域内で、最も大きく成長している樹木は、2本あり、樹種不明ですが、7.5mになっています。
他にも多様な樹木があります。
育ってきたコナラやヤマザクラを更に成長させるためには、択伐が必要になっています。
伝統的な里山管理であれば、薪炭林を目指せばいいのですが、この区域の生物多様性を考えるなら、そう単純な話にはなりません。
ムラサキシキブやヤブムラサキ、サンショやイヌザンショなどは、いくらでも萌芽してくると思いますので、低い位置で伐ってもいいと思います。
ヤマグワやヒメコウゾ、アカメガシワなどは、除伐してもいいと思います。
クスノキは伐採したものの、1年で萌芽枝が生長し、元の樹高に達していました。
当面は萌芽更新を繰り返すことで考えています。
キリは区域外ではありますが、樹高が3mを超える様になったら伐採でいいと思います。
次回、12月の活動は、こんな方針で活動してみようと思います。
クヌギの萌芽枝は、萌芽更新では考えられない遅い成長速度ですが、生き残っていて、樹高は 380cmになっていました。
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